
消防行政に対応している。
ここに紹介する事例は離島の交通機関にはなくてはならない旅客船舶の座礁事故による救急・救助活動である。
一 発生日時等
(一)日日時
平成五年六月一五日(火)一九時○○分頃
(二)発生場所
両津市大字梅津・北平沢海岸沖一〇m
(三)気象
天候霧雨、気温一八・三度、湿度九五・二%、風向北北東、風速○・六m、気圧一、〇一〇・四hPa、濃霧注意報発表中(一四日一〇時一五分相川測候所発表 一七日八時○○分解除)
(四)覚知時刻 九時一四分(一一九番通報)
(五)覚知内容
業務出向途上の本部次長一現消防長一から梅津北平沢海岸でジェットフォイルが座礁し、負傷者がいるので救急車及び救助工作車の出動指示を受ける。
二 出動状況
第一出動九時一五分
救急隊(救急一号車) 三人
救助隊(救助工作車) 六人
救急隊(救急二号車) 三人
消防長・署員(広報車) 二人
第二出動 九時三四分
消防隊(予備車)三人
消防隊(化学消防車)四人
応援要請九時五二分
救急隊(佐渡消防本部北支所救急車) 三人
第三出動 一〇時〇七分
消防隊(指令車) 五人
三 事故機要
八時新潟発両津行の佐渡汽船株式会社所有のジェット高速船(通称ジェットフォイル)「ぎんが」(二七七t)が濃霧のため航路を誤り着岸するはずの両津港佐渡汽船ターミナルから約二・二?q離れた梅津北平沢海岸約一〇m沖の浅瀬に座礁し、乗員・乗客二四五人(内重症二人、軽症二二人)を救助した事故である。

四 活動状況
事故発生当時、海上は濃霧のため視界一〇〇m以下だったにもかかわらず時速七〇?qで航行、周辺にいくつもある波消ブロックに当たらず砂浜がブレーキの役割を果たし衝撃を柔らげ座礁し、大惨事だけは免れた。この事故の第一報は、本部次長(現消防長)からだった。業務出向途上当事故を覚知した本部次長は、救急車及び救助工作車の出動を本部へ指示した。
船内に負傷者が多数いるという情報が入ったが岸からジェットフォイルまで距離があるため地元漁協へ小型船舶を出すよう依頼、救助隊員を小型船舶に乗せ、ジェットフォイルに横づけし、負傷者及び乗客を岸ヘピストン輸送し待機していた救急車で負傷者一〇人(重症二人、軽症八人)を両津市民病院へ搬送した。他一四人の軽症者は一般車両で両津市民病院へ搬送した。また、座礁した際、船体の中央部客席下にある燃料タンク底部に亀裂が入りそこから軽油一〇〇l及び船首水中翼が破損したため油圧パイプからハイドロ油一六〇lが流出した。二次災害の恐れがあったため、ただちにオイルフェンスを展張し、中和剤及ぴ吸着マットを使用し海上の油を回収した。燃料タンクからも容量三、三〇〇lをタンクローリーを利用し抜取り作業を行った。
救助した乗客について、佐渡汽船ターミ
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